中教審「知の総和」答申(最新の高等教育政策指針
(1)ポイントは次の3つ。
① 大学は「知の拠点」から「社会課題解決の装置」へ
→ 役割を果たせない大学は退場してよい、という価値観の転換。
⇒「知の創造」だけでなく、「知の社会実装」が大学評価の重要な軸になった。
② 大学の「質保証」を強化
→ 定員未充足・財務悪化大学は、質が低いとみなされる。
⇒定員未充足や財務悪化は、質保証上の重要なリスク指標として位置付けられるようになった。
③ 地域の高等教育アクセスを守るための再編
→ 統合・公立化・連携法人などの制度を整備。
つまり、大学の存続は「社会的価値」と「財務健全性」で判断する時代に入ったという認識の共有
(2) 文科省の統合・縮小・撤退支援の構造
⇒結果として、計画的な縮小・統合・撤退を可能とする制度設計が整備されつつある。
⇒文科省の支援は「統合前 → 統合時 → 統合後 → 縮小時 → 撤退時」という時間軸で設定されているので、この順にコメントを加える。
1)統合前:共同化・連携法人
情報システム共同化
科目共同開設
大学等連携推進法人(新制度)
→ 統合の前段階として“ソフト連携”を制度化した点が新しい。
2)統合時:経営改革補助・専門相談
経営改革補助(25億円)
統合手続きの情報提供
私学事業団による相談
→ 統合を「政策的に誘導」する補助金が明確化された。
3)統合後:ペナルティ緩和
→ 統合した大学が巻き添えを食わないようにする“セーフハーバー”の萌芽。
4)縮小時:定員削減・資源移行
定員の期限付き削減(台湾モデル)
学部→大学院への資源移行
→ 大学の「縮小」を制度的に認めたのは日本初。
5)撤退時:在学生支援
募集停止後も教育維持
転学支援
私学事業団のアウトリーチ支援
→ 大学撤退を“安全に行う”制度が整備されつつある。
(3)退場促進政策
以下は、コメント
① 合併コストへの支援がない
→ これは最大の欠陥。
大学統合は数億〜数十億円のコストがかかるが、日本は「経営改革補助」しかない。
統合固有の費用(Due Diligence・システム統合・校舎整理)への補助がないことは改善の要あり。
② セーフハーバーの明文化が必要
→ 統合した大学が不利益を受けない制度は必須。現状は「運用改善」レベルで、法的安定性が弱い。
③ 募集停止後の在学生支援
→ これは学生保護の観点で極めて重要。早期撤退を促す制度は合理的。
④ 統合・公立化の判断基準がない
→ 「地域の高等教育アクセスを守る統合」と「単なる経営救済」を区別する基準が必要。
これは行政史的に言えば、「大学配置政策」の再構築が必要となる。
⑤ 統廃合データベースの整備
→ これは制度史の透明性確保。現状は散在しており、政策判断が困難。
(4) 総括
日本の高等教育政策が「大学の計画的縮小・統合・撤退」を制度化する転換期にあるといっても過言ではない。
特に重要なのは次の点。
文科省は「無秩序な破綻」を避けるために、連携 → 縮小 → 統合 → 計画的撤退の選択肢を制度化しようとしている。
要するに、これは戦後日本で初めての「大学退場政策」である。り、あなたの文章はその全体像を非常に精密に整理している。
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