本メモは文部科学省とは全く無縁で、同省の公式見解ではなく、あくまでも個人的で、独断的な見解である。
******************
前提①東京大学が国際卓越研究大学審査保留から脱落した報道を受けての見解
⇒世間の批判を受けて、「ほとぼり」が冷めるまでの時間の我慢。やはり世界大学ランキングで日本最高である東大が選出されない理由はない。加えて、医学部付属病院の大学本部直轄化は高い評価を受けているはず。残るは、文系学部の改革。形の上だけでは小講座制から大講座制へと移行しただけに、つぎの魅力的なアイディア不足か。京都大学にしても、名称だけの変更で、実質的に小講座制を温存した東京大学でも、何か新規性を打ち出さなくてはなるまい。世の目をだますなどと穏やかでない表現は厳に控えるものの、本稿の提案は、Harvard流の「ダブルディグリー」制導入。
前提②石橋九州大学総長+赤司次期総長体制における方向性の提言
⇒赤司次期総長の方向性が不明確な時点では、あてずっぽうとならざるをえないが、「
前提③地域バランスを考えた戦略
東北:1校
関東:1校
関西:1校
しかしながら、西日本地域の「1校採択への道」は険しい。
前提④全九州の国立大学再編計画:カリフォルニア大学形式と同様に、九州所在のすべての国立大学を九州大学に統合し、各県に1校ずつ佐賀校・熊本校・長崎校・鹿児島校・宮崎校・大分校を設置する。戦後に開設された駅弁大学方式(東京大学を模倣したミニ・総合デパート式運営)との絶縁と再編、九州全域を一元的にコントロール・統括し、効率的・合理的に運用できる仕組みへの変換。しかし、その時期は完全に逃した。
しかし、2026年熊本地震を契機に、再度枠組みを組み替えて、新しい着想でアイディアを練り直しても面白いかもしれなない
前提⑤「国際卓越研究大学」枠ではなく、次に計画されている「 統合イノベーション戦略2026 」(令和8年7月14日制定、内閣府)に記載された「産業競争力強化研究に資する大学ファンド」(名称未定、仮題)への挑戦と研究分野強化
<参考記事>
17 の戦略分野を中心とする産業競争力強化に貢献する、新技術立国の核と なる新たな大学群の形成に向け、特定分野において特に高い研究力を有し高 度な経営を行う大学を認定し、当該分野における研究開発及び社会実装(研 究環境の整備を含む。)を中長期的に支援する新たな制度の創設を検討す る 。【 文、経】
********************
********************
| 観点 | 京都大学 | 九州大学 | 相対的な違い |
|---|
| 研究規模・実績 | 世界最高水準の研究力、ノーベル賞受賞者を多数輩出 | 国内有数の研究大学だが、世界的研究実績では東大・京大に及ばない | 世界トップレベルとの距離 |
| 国際性・ネットワーク | 欧米・アジアを含む世界規模の研究ネットワーク | 東アジアとの連携が特に強いが、世界的展開では相対的に限定的 | 国際展開の広がり |
| ブランド・認知度 | 日本を代表する研究大学として世界的認知度が高い | 国内では高い評価を受ける総合大学 | 国際的ブランド力 |
| 制度改革への波及効果 | 日本全体の大学改革を牽引するモデルとして期待 | 地域中核大学としての役割が大きい | 制度設計上の期待される役割 |
| 政策上の位置づけ | 世界トップレベル研究大学の形成を担う旗艦候補 | 地域の研究・教育拠点として重要な役割を担う | 政策上の重点の違い |
気になる点
1. 制度設計上の「役割の違い」
つまり、
制度設計では、京大のような世界トップレベル研究大学と、九州大学のような地域中核大学とで、期待される役割に違いがあると考えられる。
2. 研究力・国際性の「レベル差」ではなく「スケール差」
九州大学は、
しかし、国際卓越研究大学の審査は、
「世界ランキング上位10位台を現実的に狙えるか」
というスケール感。
その視点から見ると、
→ 質の低さではなく、“ターゲットの違い”による選外。
3. 文科省の「大学ファンド」の政治的・象徴的設計
九州大学を入れると、
→ 政治的・象徴的な“見せ方”の観点から、2校に絞られた。
4. 九州大学に対して文科省が期待している役割
国際卓越研究大学に入れなかったことは、「九州大学への期待が薄い」という意味ではないと判断される。
むしろ文科省は、
①九州ブロックの高等教育再編
②医療
③エネルギー・海洋・アジア連携
の中核地域産業との連携拠点としての役割を、九州大学に強く期待していると考えられないだろうか。
つまり、
九州大学は「国際卓越大学」ではなく、「地域の研究・教育・産業連携を牽引する中核大学
として位置づけられていると、文部科学省の政策的戦略だと推測される可能性が高い。つまり、「
5.「九州大学の将来ビジョン」
もし九州大学が今後、
確実なエビデンスはないものの、「統合イノベーション戦略2026 」(令和8年7月14日 制定、内閣府)に明記された、次世代の制度(ポスト大学ファンドなど)では、九州大学を「第三の旗艦」として位置づける文部科学省戦略の可能性は十分あると考えて良いだろう。
*************
<参考記事>
「統合イノベーション戦略2026 」(令和8年7月14日 制定、内閣府)
5.産学官を結節するイノベーション・エコシステムの高度化 (1)産学連携の推進・世界で競い成長する大学の実現 (現状認識) 「科学とビジネスの近接化」が進展し、先端的な科学的知見の早期事業化が進 む中、ディープテック分野では企業単独で研究開発や人材確保を進めるのは困 難であり、大学の役割が一層重要となっている。他方、我が国の大学は、研究力 や人材育成、産学連携の規模において国際競争力の低下が指摘されている。こう した状況を踏まえ、産学官が連携し、高い研究力がありイノベーションの中核と なる大学群を形成することが求められている。 (特に重点を置くべき施策) 産学連携の過程で生まれた資金・人材・新たな知を、次の研究力の原資とし て活用し、大学の総合的な研究力を底上げするという好循環を実現するた め、産学共同研究等の支援を通じた産学連携の促進に加え、大学の経営力強 化を一体的に進める。【文、経】 各研究大学における、世界トップレベルの研究拠点や、研究成果の社会実装 に向けた産学官共創拠点等の形成を進め、大学の研究力と経営力の強化を促 進する。【文、経】 17 の戦略分野を中心とする産業競争力強化に貢献する、新技術立国の核と なる新たな大学群の形成に向け、特定分野において特に高い研究力を有し高 度な経営を行う大学を認定し、当該分野における研究開発及び社会実装(研 究環境の整備を含む。)を中長期的に支援する新たな制度の創設を検討す る 。【 文、経】 新しい産学連携の形として、産学が協力して設置・運営する学位の授与を行 う「契約学科」の取組を推進する。【経】 研究開発税制において、産業技術力強化法の一部を改正する法律(令和8年 法律第41号)による改正後の産業技術力強化法(平成12年法律第44号) に基づき、戦略的に重要な技術領域に係る企業の研究開発を促進する「戦略 技術領域型」、また、そのうち、特に高い研究力等を持つ認定研究拠点との 68 オープンイノベーションを促進する「大学拠点等強化類型」を活用し、研究 開発投資を促進する。【経、関係省庁】 J-PEAKS の採択大学において、研究力や経営力の強化を進めつつ、大学間 の連携も促進することで、多様な研究大学群の形成・強化を図る。【文】 大学、国研等が有するイノベーションの源泉である知と社会ニーズとのマッ チングの加速に向けて、産学官共同研究の推進や、研究者と産業界とのマッ チング、専門人材によるハンズオン支援を推進する。【文、経】 大学等発スタートアップが、研究開発等を通じて成長できるよう、スタート アップ・事業会社・大学等の新たなオープンイノベーションを支援する。【文】 大学等発スタートアップが官民からの多くの出資を得て持続的に成長でき るよう、民間資金の呼び水となる官民ファンドからの大学等発スタートアッ プへのフォローオン出資等を推進する。【文】 我が国のオープンイノベーションを促進すべく、今後のロールモデルとして 期待される先導性や独創性の高い取組について表彰等を実施する。【府】 「大学支援フォーラムPEAKS」において、産学官連携によるイノベーショ ンを支える大学経営人材の育成等を産学官で検討する。【府】 民間企業から地方公共団体への寄附を通じた大学・研究機関への研究資金の 確保の方法として、共同研究を行う際の留意事項を明確化したことも踏ま え、企業版ふるさと納税の更なる活用促進等を図る。【官房】